そもそも、鍵をかけるという意味で使われる「ロックアップ」は仮想通貨の専門用語ではなく、もともと株式投資市場で用いられていた用語になります。


ロックアップとは、企業が株式公開(IPO)する際に、株式公開後の一定期間中に保有している株を売却しないという(契約)制度です。

IPO後の株式価格は買いの需要が大きくなることが多いため、株式をロックアップすることで高騰している相場を維持もしくは、大株主が大量売却する事によって相場を撹乱させることを抑制するという効果が生まれます。

一般的には公開後、ロックアップの期間として180日(3ヶ月)程度の期間を設ける企業が多い傾向にあります。

リップル社が550億XRPをロックアップ

仮想通貨で「ロックアップ」という用語に触れた機会のほとんどは、2017年12月に起きたリップル社のロックアップではなかっでしょうか。全容は以下のとおりです。

リップル社ロックアップの全容
    1:リップルの総発行1,000億XRPのうち、リップル社が630億XRPを保有していました。
    2:リップル社保有分の9割にあたる550億XRPを2017年12月にロックアップ開始しました。
    3:2018年1月以降、毎月10億XRPを市場に放出する上限に設定しました。

仮に単月での放出量が10億XRPに達しない場合、余ったXRPは再度55ヶ月間ロックアップされます。

過去18ヶ月間の統計として、リップル社からの平均単月放出量は3億XRPだったと発表しているので、放出量に変化がなければ毎月7億XRPが再度55ヶ月間ロッックアップされることになります。

つまり、リップル社は仮想通貨をロックアップする事によって大量の売り注文を出せなくなったという事になります。

非中央集権 VS 中央集権

リップルがロックアップする理由の一つが、中央集権であるという事です。


ビットコインやイーサリアムでの通貨の取引は、ネットワークに参加する第三者が取引承認を行う事で成り立っている非中央集権型のネットワークです。

非中央集権のメリットは、公平性です。誰にも管理する事ができないという事は、一部の個人に有利な取引を行うなどの不正ができないという事です。


対して、リップルはリップル社が選んだ承認者によって取引が成立する中央集権型のネットワークです。

中央集権のメリットは、リップル社の判断で取引を承認しない事も可能ですし、取引が多ければ多いほどリップル社(胴元)に資産が流れ込むため、大量の資金移動で簡単に価格(相場)を動かせるという事がいえます。


この構造について、リップルホルダーや今後リップルに投資を検討している人たちの中でリップルが最終的には全ての資産を売却する可能性がある事を指摘してきました。

今回、リップル社はこの不安に答えるかたちでロックアップを実施したという事になります。