USDT(Tether)とは
USDT(Tether)とは、Tether Limitedが発行する仮想通貨(デジタル通貨)です。
USDTは「U.S dollar Tether」の略称として使われており、USDTの事をTether(テザー)と呼ぶ人も多く、言い方に決まりはありません。
USDTの最大の特徴は、法定通貨であるアメリカドル(USD)とほぼ同一価格であるという点です。
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USDT(Tether)の目的
ビットコインに代表される仮想通貨には沢山のメリットがありますが、デメリットもあります。
そのデメリットの一つが「激しい価格変動」です。
2018年で言えば240万円だったビットコイン価格が70万円台まで価格が下落するという現象が起きました。
240万円だった頃にビットコインを使って買い物をした人はかなり徳をした気分になりますが、ビットコインを受け取った人たちは価値が半分以下となってしまい、損をした気分になっているはずです。
つまり、価格変動が激しいで保有している仮想通貨の価値が下がってしまうと、通貨を利用したいと思う人はほとんどいなくなります。
そこでUSDTは価値が安定している法定通貨(ドル)と同じ価値を保つことで、仮想通貨の良い所と法定通貨の良い部分を合わせた新しい通貨を作り出しました。
激しい価格変動が起きない仮想通貨であれば、安心して利用できるということになります。
USDT(Tether)の基本情報
項目 | 詳細 |
シンボル | USDT |
公開日 | 2014年10月6日 |
システム | Proof of Reserves |
公式サイト | tether.to |
ホワイトペーパー | Whitepaper.pdf |
USDT(Tether)の仕組み
金(ゴールド)もドルも日本円も全ての通貨は価値が変動します。
経済の成り立ちや市場の原理を理解すれば、通貨の価値を一定に保つ事は不可能だということがわかります。
それは、通貨を欲しい人の需要と通貨を発行する人の供給のバランスが時間によって変化するからです。
では、どうやってUSDTはUSD(アメリカドル)と同じ価値を保てるのかについて説明します。
2018年10月7日のUSDTの市場状況は以下の通りです。
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USDTは約30億枚ほど発行されており、アメリカドル(USD)とUSDTとの価格差はほとんどありません。
市場の原理を考えれば、USDTを欲しい人が増えた場合USDTの価格は上がりますし、逆にUSDTを売却する人が増えると自然とUSDTの価格は下がる仕組みとなっています。
Proof of Reserves
価値をほぼ一定に保つことができるのかということについては以下のアクションが実行されているからです。
USDTの価格が高騰すると、USDTを保有しているTether社がUSDTを売却することで価格の高騰を防ぎます。
USDTの価格が下落した場合、銀行に保管しているアメリカドル(USD)を使ってUSDTを買い戻すことで価格が下がる事を防いでいます。
Tether社は現在発行しているUSDTの時価総額と同額のアメリカドル(USD)を準備金として保有していると発表し、価値の変動に対してアクションを起こしながらUSDTの価値の担保を実現しているということになります。
この仕組みを「Proof of Reserves(PoR)」と呼んでいます。
USDT(Tether)のリスク
USDTの価格が高騰した場合はUSDTの総発行量を増やせばいいだけなので、価値を安定させるのはそう難しくはありません。
しかし、同額のドルの保有がなくUSDTの価値が下がってしまった場合は下落を止めることができなくなるため、USDTの価値は一気に下落してしまいます。
Tether Limitedは発行しているUSDTと同額のアメリカドルを保有している事を発表してますが、それが真実かどうかを確かめる術は今の所ありません。
つまり、Tether Limitedが担保しているアメリカドルの総額が時価総額よりも少なかった場合、USDTは破綻するということです。
USDTの時価総額は急激に成長しているため、担保も同額のアメリカドルを必要とします。
2017年1月の時価総額が900万ドルだったのに対して、2018年10月には28億ドル(約3185億円)と300倍以上に成長しているため、本当に同額のアメリカドルをTether Limitedが保有できているかが疑問となります。