マルチシグ(multisig)とは?

マルチシグは「マルチ・シグネチャ」の略称です。

シグネチャ(Signature)とは、セキュリティ用語でいう「署名(しょめい)」を意味します。

通常シグネチャはシングルシグネチャと呼ばれており、一人が1つの鍵を持って署名することで、ロックが外れる仕組みを指します。


マルチシグとは、ロックを外すために「複数の鍵を使う仕組み」のことを指します。

鍵は通常3つ以上用意され、全ての鍵を揃える必要はなく設定次第で2つ以上鍵を所有していればロックが外れる仕組みが一般的です。(ポイントは1つではなく、2つ以上の鍵を用意しなければいけない点です。)


例えば、5つの鍵が用意されたマルチシグは5つの中から2つ揃えば、ロックが外れる仕組みをとることが一般的です。

家や自動車の鍵は複数あっても、どれか一つあればロックを外すことができますが、仮想通貨関連で使われるマルチシグは複数ある鍵の中から2つ以上揃えないとロック解除ができないのが一般的です。


マルチシグの活用例

マルチシグは仮想通貨取引所で採用されることが増え始めてきています。ただし、現状で模範となる使い方をしている取引所はほとんどありません。

活用例としてのお手本は「マルチシグ・エクスクロー」があげられます。

エクスクローとは、取引の安全性を保証する仲介サービスのことです。詳しくは以下の記事を御覧ください。

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例えば、ショッピングサイトで「買い手が代金を支払い、売り手が商品を納品する」という一連の取引にマルチシグを組み込んだ場合を想像してみましょう。

マルチシグの鍵は、買い手、売り手、ショッピングモールがそれぞれ1つずつ保有しています。

買い手は、代金を支払って商品を受け取るには「売り手」もしくは「ショッピングモール」の署名がなければ商品を受け取ることができません。売り手は、代金が支払われた場合のみ署名し、商品を発送すれば代金を回収できないというリスクが発生することはありません。

反対に、売り手が買い手から料金を受け取るには「買い手」もしくは「ショッピングモール」の署名がなければ代金を受け取ることができません。買い手は商品が確認できた場合のみ署名し、代金の支払いを済ませば、商品が送られてこないというリスクが発生することはないということになります。

さらに発展した展開を考えると、買い手もしくは売り手が不正を腹たいた場合、不正を働いていない側とショッピングモールが結託をすれば、不正利用している売り手もしくは買い手のロックを外して商品および代金を回収することが可能となります。


マルチシグのメリット

マルチシグの最大の利点は、セキュリティの向上です。仮想通貨で言えば、自己資産をより安全に保護できるということです。

仮想通貨取引所はマルチシグによって複数の鍵を別々のサーバに保管します。もし、ハッカーがロックを外すには複数箇所のサーバーにアクセスする必要があり、ハッキングの難易度が劇的に上昇します。

さらに、ユーザが一つの鍵を紛失もしくは、ハッキングによって盗難にあったとしても他の用意されておる鍵を使えば自己資産を保護することが可能となるわけです。


マルチシグのまとめ
  • マルチシグは「マルチ・シグネチャ」の略称
  • マルチシグとは、ロックを外すために複数の鍵を使う仕組み
  • マルチシグによって、ハッキングの難易度が向上
  • マルチシグは資産消失リスクをヘッジする