銀行口座を持っていない人たち

みなさん、東南アジアといえば、どこの国を思い浮かべますでしょうか?インドネシア、フィリピンやASEANに加盟する国など様々ですが、私は、タイです。

寒い季節は、タイへ旅行にでも行きたいですね。タイは物価が安くて、最高!1,000円もあればランチは豪華に過ごせます。


そんなタイの人たちは、人口の2〜3割程度しか銀行口座を持ってないって知ってました?その理由が、銀行が徴収する手数料が高すぎるって話なんです。

キャッシュカード制作に100バーツ、年会費200バーツ、1年以上使わなかったら毎月50バーツ取られるらしい。。銀行に預けてるだけで、年間2万円も取られたら平均年収115万円のタイ人は、そりゃ預けるかって事ですよ。


おそらく日本みたいに平均値近くの年収をもらっている人がたくさんいるんじゃなくて、貧富の差が激しいんだろうね。。預けたら水道、電気、ガスのお金払うにも手数料取られそうだし、

現金でもらった給料を銀行に預けに行くためのトゥクトゥク(タクシーみたいなやつ)代とか、交通費もかかるし、いろいろ考えて、銀行に手数料持っていかれるって本当にバカな話。


しかも、タイは人口の5.6%(2015年調べ、6866万人中391万人)が移民でビザがないと作れないから、これまた不便。そりゃ人口の大半が銀行やクレジットカードを利用しない理由がわかりますね。給料を現金でもらってるなら、現金で払った方が全然楽って事。

タイ人の現金管理は面倒くさいと潜在的に思っている

タイで流通している通貨はバーツ。バーツ札の種類は、1000バーツ札、500バーツ札、100バーツ札、50バーツ札、20バーツ札の5種類。ちなみに、日本円札のように札それぞれに偉人の絵が描かれているのではなく、どの札にも国王の同じ肖像画が描いてあります。

硬貨は、10バーツ硬貨、5バーツ硬貨、2バーツ硬貨、1バーツ硬貨、50サタン硬貨、 25サタン硬貨の6種類存在します。


タイ人はあまり貯金している人がいないので、毎月3万バーツの給料を使っている事になるのですが、借金を含めた支払いの全部を現金払いでまかなっている事の手間を考えると、日本人なら相当不便だという事がわかるとおもいます。

スイカやパスモが流行し、電車やバスに乗るのに毎回切符を買っている日本人はもう少ないと思います。キャッシュレスの人なら、ダクシーやコンビニで現金を使う事すら、もう難しいのではないでしょうか。

OmiseGO誕生

長谷川潤氏は、スマートフォンが東南アジアで人口の70%近くに普及しているが、口座を持っていない人がほとんどという事に目をつけ、仮想通貨omiseGOを立ち上げる事なります。

    銀行口座作るのは高いけど、こっちは口座開設費用が不要ですよ!
    スマホがあれば、キャッシュレスで即時決済できるので、現金の持ち歩きがいらないですよ!
    銀行より安全なので安心して!
    そして、送金手数料はかなり安いですよ!

と、東南アジアに住む国民に対して謳った事になります。

長谷川潤氏を創業者代表として、仮想通貨OmiseGOのプロジェクトが2013年にタイのバンコクを拠点としてスタートし、アドバイザーチームにイーサリアムの創業者Vitalik Buterin氏とbitcoin.comを運営するRoger Ver氏も加わりました。

OmiseGOの利点は、前述した手数料やセキュリティのメリットだけではありません。

仮想通貨ならではになりますが、国境を越えても利用する事ができる点と、現存する法定通貨と共存できる経済を目指してるという仮想通貨リップルと似たメリットも持っています。

OmiseGOは、各国、各組織がそれぞれのスタンダードを保ったまま、共有の決済プラットフォームを構築できる特性を活かして、既にタイで3分の2のモバイル会社がOmiseを導入させる事が出来ています。


また、現在タイ全国で243店舗を展開しているMcDonald’s Thailand Co., Ltdが、OmiseGOのオンライン決済サービスを導入しました。その結果、従来のシステムではカード決済を利用するためにはページ遷移する必要がありましたが、導入後は、すべての過程を単一のページ上で完結させることが可能になり、決済に必要な時間と手間を大幅に削減することに成功しました。


さらに、OmiseGOでは、「できる限りTokenを分散する」という目的の元、2017年9月に総発行量の5%分のOMG(70億円程度)が45万アカウントへ無料配布(エアドロップ)されました。

OmiseGOは、投資対象としても面白い

OmiseGOは、複数の異なるブロックチェーン同士でも取引ができるパーミッションレス型のパブリックブロックチェーンを構築していますので、独自トークンだけでなくビットコインやイーサリアムを扱う事も可能です。

様々な通貨と取引する事ができるため、各国の銀行や政府が採用しやすい構造になっていると言えますし、システムはProof of Stakeなので、取引承認がビットコインよりも効率的に行う事ができます。


2017年8月から注目され、価格が高騰しました。今後のアジア展開を考慮すると、将来が楽しみな案件と言えます。

OmiseGO-Chart

OmiseGOは、競合に負ける可能性もある

ここ数年、タイの主要銀行30社が統一で導入したりするなど、東南アジアではORコードで決済ができるサービスが流行しています。

QRコードを利用する事で、利用者も支払先側も同時にコスト削減ができる上に、仮想通貨よりも簡単で、スマホユーザが多い東南アジアでは利便性が増すばかり。


サービスが発展する上で、もっとも重要な事は「利用者が簡単に利用できる事」

いくらシステムが頑丈で、手数料が安いと言えど、導入のハードルが高ければ、サービスは受け入れらる事はありません。


OmiseGOの導入を「いつまでに」「どのように」簡単にするかが今後の課題です。


タイ政府系機関「電子取引開発機構(ETDA)」とOmiseが締結

タイのデジタル産業社会省傘下の政府系機関「電子取引開発機構(ETDA)」と了解覚書を締結しました。


了解覚書(Memorandum of Understanding)とは

行政機関や組織間の合意事項を記した文書の事を言います。

了解覚書の締結には国会での承認手続きが必須ではないため、法的拘束力を有さないし、取り決めを破った場合の罰則なども記載しない。


タイ政府機関はOmiseと協業で情報や技術提供を交わしながら、電子顧客確認(eKYC)ポータルを構築する予定です。

データ改ざんやサイバー攻撃に強い耐性を持つブロックチェーン技術をシステムに利用する事によって、タイ政府は正確なID管理を実現する事ができます。

タイ政府にとって、ブロックチェーンは必要不可欠

以前のブログ記事でもタイの銀行利用率について触れた事がありますが、タイでは収入が少なく、口座開設費用とランニングコストが高いという理由から、人口のほとんどが銀行口座を持っていません。


そのため、公共料金などの支払いは現金で行われます。

銀行口座を持っている人の中では、QRコードを使った決済も流行っていますが、まだごく一部のようです。


こういった現状から政府が国民のデータを取得する事が難しい現状が伺えます。

そして、Omiseとの提携はブロックチェーン技術によって大幅な管理コストの削減と税の回収効率を上げる施策として非常に有効だと考えているはずです。

OmiseGO側も好材料のマーケティング戦略となる

OmiseGOは、銀行口座を持たないタイやアジアを対象にした決済手段として、プロジェクトが進行してきました。

アドバイザーの中にはイーサリムアの創始者ヴィタリック(Vitalik)氏やビットコインジーザスと言われているRoger Ver氏も参加しており、非常に注目を集めているにもかかわらず、プロジェクトの進展状況があまり聞こえてきません。(私個人の情報収集不足の可能性も高くあります。。)


これは勝手な妄想ですが、OmiseGOは決済手段として広げるためのマーケティング施策のことごとくが失敗続きだった可能性があり、次の施策を検討していたのかもしれません。

政府と協業して電子顧客確認のシステムを構想するという事は、タイ中の消費者データに触れるということでもあり、非常に有意義なプロジェクトになるはずです。

OmiseGOとStatusがパートナーとなる

2018年7月6日、仮想通貨StatusがOmiseGOとの提携を発表しました。

Statusは仮想通貨市場でもTOP50に入る時価総額290億円超えのビックプロジェクトの一つです。

Statusは、DEXへのアクセスにOmiseGO SDKとネイティブウォレットを統合する可能性もあり、パートナー契約を結ぶ事によって、様々な可能性が見えてきます。

詳細はStatusのブログをチェックしてみてください。

外部リンク:Status Partners with OmiseGO