老後の不安

高配当株投資や巨額の資産を貯めてFIREされている方はSNSや各種メディアで散見されますが、4%ルールを実行して老後の生活費を捻出している人というのは激レアですよね。

2022年以降の下落相場の中で給料が入らず、4%ずつ資産を切り崩すとなると相当なメンタルが必要にも思えます。


今回は2000年以降の暴落相場(ITバブルとリーマンショック)で4%ルールを実行した場合のシミュレーションを計算してみようと思います。

今後インデックス投資で4%ルールを実行する方が暴落相場に出会してしまった場合の参考になれば幸いです。


暴落相場での4%ルール

シミュレーションの前提条件は以下の通りです。

【シミュレーションの前提条件】
  • 1億円(生活費25年分)をS&P500で保有
  • 生活費34万円を毎月引き落とす
  • 取引手数料および税金は加味しない
  • 為替(ドル円)レートは月単位で考慮する
  • 運用期間は2000年1月から2013年12月まで


シミュレーション結果

上記条件のもとでシミュレーションすると、結果は以下の通りになります。

暴落相場での4%ルール

2000年1月時点で9,966万円あった資産はITバブルによりわずか3年で4,206万円にまで激減します。

その差、5,794万円が吹っ飛んだ計算です。

恐ろし過ぎます。。。

仮に同期間を貯金で切り崩した場合は1,292万円程度しか減りませんので、資産運用してるだけで4倍以上の資産が消えたことになります。


リーマンショックで7千万円失う

その後の回復相場で毎月34万円を引き出しつつも資産残高は2004年12月までに6,132万円まで回復します。

リーマンショックでは資産残高は再度急激に減少し、3,000万円まで下がりました。

1億円もの巨大な資産がたった9年で7割失う暴落相場。

怖過ぎますね。


メンタル次第で再現性は低くなる

2013年12月時点での最終資産は4,218万円となり、資産運用せず貯金で1億円から34万円ずつ切り崩した場合と比べると、69万円しか違わなかった計算でした(税金や手数料は加味しておりません)。

結果的には暴落相場でも4%ルールで運用しながら資産を使った方が資産が長持ちする計算ですが、たった3年で半分の資産が吹っ飛ぶ経験はメンタル的に耐えられるか微妙です。

というのも、慌てて現金化してしまえば、その後の上昇相場で資産を増やせず、資産減少がもっと早くなってしまうことも十分に考えられます。

メンタルと運用ルールを十分に考慮しつつ、実際に4%ルールを実行する際は確固たる信念でやり続けないといけないと思います。