投資家心理を考えると、相場によって拡散されやすいポジショントークがあるなと思ってます。

投資家心理とは
    投資家が持っている期待や不安のこと。相場が強く上昇する時ほど投資家の感情は大きくなり、逆に下落局面では投資に消極的になる心理を指します。

トレーダーは自分の予想が当たっている時や相場が上昇し資産が増えている時ほど、自分の考えを疑いません。

その結果として「爆上げ必至」「レバレッジ効果絶大」「投資しない人は損をしている」というような強気発言が出てきやすくなります。


出来高で損益を把握する

このような発言が出てきている時は、だいたい投資家の含み益が乗っている時です。

そして投資家の含み益は「価格帯別の出来高」である程度、予想できてしまいます。

以下は2020年1月以降のNasdaq100指数のチャートです。

Nasdaq100
出典:Yahoo!Finance

チャートで左上にある「Indicators」のボタンから「Volume Profile」を選択し、画面の右側に価格帯別の出来高(薄紫色の横バー)を表示させました。

2020年以降の取引で最もボリュームが多いのは、$13,000〜$14,000付近です。

Nasdaq100(出来高)
出典:Yahoo!Finance

$14,000のボリュームゾーンを超えて株価が上回っている時は、投資家の含み益が多い状態となります。

逆に$13,000より株価が下回っている時は含み損の投資家が増えており、SNSでも投資関連のツイートが減ってきたり、ネガティブな感情が大きくなっていると思います。


価格が上昇している時、つまり2021年7月から今年の2月までは「レバナス民」という言葉も流行るほど強気な発言が飛び交っていましたが、3月以降になると大分おとなしく、相場を冷静に見れる人が増えたように思えます。

他にもARK社のETFだったり、ミーム株だったり、挙げればキリがないですが、投資家の含み益が増えるほど、投資家の前向きなポジショントークが拡散されやすかったのは、相場を見ていれば明らかです。


投資家心理は一斉に動く

YouTubeやTwitterなどのSNSを使って情報収集する人が多いと思いますが、どの情報発信者も少なからず相場の影響を受けて情報を発信しています。

過去のチャートが長期的に右肩上がりであるほど投資家は強気になり、直近の株価が大きく下がるほど、投資家はポジションを積極的に取りたがりません。


さらに怖いのが多くの投資家心理が同じ方向に一斉に動くので、悲観的な相場であるほど悲観的な情報が拡散されやすくなり、相場が上昇するほど楽観的な発言が賞賛されやすくなります。

このような知識を把握しておけば、自分が収集した情報がどのぐらいの不安と期待が織り込まれているのかを、客観的に把握する手がかりになるはずです。


バフェットの名言

最後に有名な投資家ウォーレン・バフェットの言葉を紹介します。

【ウォーレン・バフェットの名言】
    皆が貪欲なときに恐怖心を抱き、皆が恐怖心を抱いているときに貪欲であれ

プロの投資家が「そろそろ株価が暴落する!」という発言に対して、驚いてはダメなんです。

決して他人の情報に流されず今の相場を把握した上で、超長期的に投資判断をするのが賢明です。