2023年まで承認される可能性

Bloomberg Intelligenceのアナリストが以下の文章にて2023年半ばまでにビットコインETFが承認される可能性を示した。

【Bloomberg Intelligenceの発表内容】
  • 取引所の定義の拡大は、暗号資産プラットフォームをSECの規制フレームワークの下に置くことによって、ビットコインETFに対するSECの主要な反対意見を排除することにつながる
  • 暗号資産取引所がコンプライアンスを準拠すれば、SECがビットコインETFを却下する主な理由はもはや効力がなく、承認への道が開かれる可能性が高い

ビットコインETFがSECに承認されれば、世界的にビットコイン価格の上昇が見込める。

現在ビットコインを保有する投資家は、2017年に経験したバブルのような相場を再度経験するかもしれません。

今回はビットコインETFについて、再度、情報を整理していきたいと思います。


ビットコインETFとは

ビットコインETFとは、ビットコインを証券会社から購入できるようにするための金融商品です。

一般的にビットコインを手に入れるためには、仮想通貨取引所でビットコインを格納するためのウォレット(証券口座のようなもの)を作成して、購入しなくてはなりません。

さらに、ビットコインを売ったり、買ったり、保有するには「公開鍵」「秘密鍵」というかなり長い2つのパスワードが必要となり、作業的にも投資家へ負担を与えます。

その他にも仮想通貨取引所が悪質なハッカーによってハッキングを受けてしまえば、仮想通貨は第三者に盗まれてしまう危険性など、さまざまなリスクがあるわけです。

このようなリスクやデメリットを解消するのが、ビットコインETFとなります。


ビットコインETFのメリット

ビットコインETFのメリットは、投資家がBitcoin現物を保有する必要がないため、ハッキングによって盗まれる心配がありません。

日本の仮想通貨取引所も何度もハッキングによって仮想通貨を盗まれていますが、その度に取引所が顧客資産を全額補償する形で進めれらてきました。


仮に米国でビットコインETFがハッキングによって資産流出した場合も、投資家保護の観点からETFを運用する会社が盗まれた資産を全額補償する可能性が極めて高いです。

ただし、補償内容は各会社、各商品によって異なる可能性があるため、詳細は目論見書を十分に確認する必要があることをご理解下さい。


ビットコインETFのメリット二つ目は、証券会社と同じ口座でビットコインを管理できるという点です。

今までのように、わざわざ仮想通貨取引所で口座開設しなくても、株式投資で使っている証券口座と一緒にビットコインを保有できるため、煩わしさがありません。

かつ、ウォレットが存在しないので、秘密鍵や公開鍵の管理をする必要もなく、仮想通貨の扱いが本当に驚くほど楽になると思います。

現在証券口座を持つ投資家を対象として、今まで仮想通貨投資をしてなかった投資家が、ビットコインを購入しようと考えるのは、火を見るより明らかです。


ビットコインETFのメリット三つ目は、機関投資家のポートフォリオに組み入れられる可能性が高くなります。

先ほど述べたように、仮想通貨の管理が容易になることに加えて、ビットコインは比較的他の資産と相関係数が高くありません。

相関係数が高くないということは、株式市場の上がり下がりに関係なく、ビットコインが上昇していく可能性があるため、資産の分散効果が高い資産として認識されます。

そういう意味で、巨大な資産を扱う機関投資家がポートフォリオの1つにビットコインを組み込むメリットが出てきます。

【ビットコインETFのメリット】
  • ハッキングリスクが極めて低い
  • 管理が本当に簡単になる
  • 分散効果が高い資産として機関投資家に採用される可能性がある

これは余談ですが、ビットコインETFのメリット四つ目として、もしかすると税制が変わるかもしれません。

ビットコインを証券会社で扱えるようになれば、日本では「雑所得」として扱われるビットコインがFXや株式投資と一緒の分離課税が適応される可能性はあると思います。

税率が変われば、さらにビットコインの注目度は上がるはずです。


ビットコインETFのデメリット

ビットコインETFのデメリットの1つは、手数料です。

本来、ビットコインを仮想通貨取引所で購入すれば、支払う手数料は売買手数料のみです。

しかし、ビットコインETFになると経費率や信託報酬のように運用期間中でも手数料が発生してきます。

そのため、超長期でビットコインを保有するほど、手数料が足枷になってリターンが少なくなってしまいます。

ハッキングリスクが低く、管理が簡単というメリットと受けるためには、手数料を支払う必要があると考えるべきでしょう。

どうしても手数料を支払う人が嫌な場合は現物でビットコインを購入すれば良いですし、簡単に手間なくビットコインに投資をしたい方はビットコインETFへ投資するというように、投資家によって扱い方を変えていけば良いと思います。


ビットコインETFのデメリット二つ目は、価格変動リスクです。

今更かもしれませんが、ビットコインのボラティリティは異常に高いです。

2009年時のビットコイン価格は1BTC =0.07円でしたが、2022年3月時点では1BTC = 500万円を超えています。

bitcoin chart
出典:coinmarketcap

わずか12年半の間にビットコイン価格は7,142万倍に跳ね上がりました。

今後も価格変動については、激しいことが予想されます。

大きな資産を投資すれば、その資産が一気に消える可能性もあれば、ものすごく大きくなってしまうことも考えられます。

リスク許容度を測れない経験の少ない投資家が参戦すれば、一定数は大きな損失を抱えてしまうはずです。

そういう意味では、リスクの高い投資商品が簡単に買えてしまうことは、デメリットの1つになるかもしれません。

【ビットコインETFのデメリット】
  • 手数料が負担になる
  • 投資初心者には高リスク商品