東証再編
2022年4月4日より、東京証券取引所の市場区分が見直されます。
東証一部、東証二部、マザーズ、JASDAQ(スタンダード、グロース)と5つの区分に別れていた東証がプライム、スタンダード、グロースの3つに再編されます。
参照元:JPX各市場の上場基準は以下の通りです。
項目 | プライム | スタンダード | グロース |
株主数 | 800人〜 | 400人〜 | 150人〜 |
流通株式数 | 20,000単位〜 | 2,000単位〜 | 1,000単位〜 |
流通株式時価総額 | 100億円〜 | 10億円〜 | 5億円〜 |
流通株式比率 | 35%〜 | 25%〜 | 25%〜 |
上記以外にもガバナンスや収益基盤、財政状況など様々な上場基準が設定されています。
詳しく知りたい方は日本取引所グループのサイトをご確認ください。
なお、新市場区分への移行プロセスとしては以下のスケジュールとなっています。
【新市場区分の移行スケジュール】
2021年9月1日~12月30日:市場選択期間
2022年1月11日:新市場区分選択の結果公表
2022年4月4日:一斉移行日
今後の影響は
東証が新しい市場区分になることで何が変わるの?
という部分ですが、ぶっちゃけ「運用してみないと今後どうなるかはわからない」というのが本音です。
ただ現時点で予想できそうなことは以下の通りです。
【新市場区分のメリット】
- 企業は投資家を意識しやすい
- 海外投資家にも注目されるかも
- プライムで社会的信用力が向上?
【新市場区分のデメリット】
- 成長してない市場がバレる
- 企業体質や文化は変わらない
プライム市場は純資産が50億円以上、直近2年間の利益合計が25億円以上などの基準が設けられています。
東証によれば、2021年6月末時点で東証1部上場企業2,100社超のうち約3割の664社がプライムの上場基準に達していないそうです。
上場基準が難しいということは、それだけプライム市場に上場し続けることが社会的信用力を得るための手段になるということだと思います。
また株主数や流通株式比率なども基準もあるため、海外や日本の投資家に注目されるよう業績を上げるだけでなく、株主優待や配当など今までより一層株主還元を意識していく必要性があると考えらるはずです。
デメリットとしては各市場の指数が発表された際、全然成長しない市場と勢いのある市場など、日本経済の景況感が丸裸にされてしまうということだと思います。
たとえ上場基準が変わったからと言って、企業の体質や文化が変わるわけではありません。
努力しない企業や株主よりも社長や身内のステークホルダーを大切にする企業もあるでしょう。
その結果が明らかとなり、日本の中小企業などが海外市場に比べて魅力的ではないと思われてしまうと、国内外から投資家が集まらず冷え切ってしまう恐れもあります。
その辺は、実際に運用されてみないとわからないことでもありますが。
今回市場区分を見直す理由としては「市場区分のコンセプトが曖昧で上場後に積極的な企業価値向上を促す仕組みとなっていない」という課題を改善するものです。
来年の4月以降、日本の株式市場がもっと盛り上がれば良いなと願っています。