皆さん、こんにちは。Gazです。
ご存知の方も多いかもしれませんが、世界中で半導体不足のニュースが飛び交っています。
その影響は様々な業界に飛び火しており、Appleが半導体メーカーのBroadcomとTexas Instrumentsが十分に部品供給できずにいるため、iPhone13の生産目標を1,000万台下げて8,000万台の生産と下方修正される見通しと提携先が伝えている様子。
昨日は決算発表で好成績をだしたテスラ社でしたが、半導体不足の懸念から株価も売られました。
半導体市場はTSMCが要
半導体市場と主な銘柄は経済産業省が公表している資料を見れば、一目瞭然。
参照元:経産省ファブレスとは工場持たないという意味で半導体の設計を行う企業を指します。
逆にファウンドリは生産請負会社のことで工場を持って半導体を作るのが仕事です。
半導体のファウンドリメーカーで大きなシェアを獲得しているのがTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited、TSMとも言われます)です。
2021年第1四半期では、業界全体売上の56%を占めているTSMC。
次いで、Samsung(18%)、USC(7%)となりTSMCが圧倒的シェアを誇っています。(半導体市場調査会社Trend Force調べ)
だからこそ、投資家はTSMCの売上や工場など設備投資計画に目を凝らしています。
先日、TSMCが日本に工場を建設するというライブドアニュースのツイートは5,359件のいいねを獲得していました。
【速報】台湾TSMC 日本に半導体工場を建設
— ライブドアニュース (@livedoornews) October 14, 2021
不足する半導体の国内製造能力向上へ(NHKニュース)
この企業の動きが業界全体に大きな影響を与えるからです。
SOX指数
株価というのは企業の業績と将来の見通しを反映する鏡のようなものです。
それは株式市場に上場しているTSMCやNVIDIA、インテルも例外ではありません。
半導体市場で活躍する上場銘柄をまとめた有名な株式指数がSOX指数です。
別名「フィラデルフィア半導体株指数」とも言われますが、米国フィラデルフィア証券取引所が算出している指標となり、半導体の製造・流通・販売を手がける企業30銘柄で構成されています。
構成銘柄は以下の30社です。
指数の計算方法は1993年12月1日を基準値100(当初は200だったが1995年に1/2に分割された)として2009年12月18日までは単純平均株価で算出されていましたが、2009年12月21日以降は調整時価総額加重平均で算出されています。
時価総額が高い銘柄はTSMC、NVIDIA、ASML、INTC、AVGOです。
半導体とは「産業のコメ」と言われるほど様々な製品に使われる部品であり、SOX指数に組み入れられる企業の動向次第で経済が動くため、株式市場や経済の先行指標として扱われることが少なくありません。
半導体業界は2021年に入ってリードタイム(発注から納品までにかかる時間)が悪化しており、2021年9月にはリードタイムがも21.7週間に伸びて過去最長を記録しており解決の兆しが見えてない状態となっています。
半導体不足でiPhone13が
— Gaz(ガズ)@資産運用ブロガー (@gazooblog) October 13, 2021
最大1,000万台減産する見通し。
半導体のリードタイム(発注から納品までにかかる時間)も21.7週間に伸びて過去最長を記録しており解決の兆しが見えてない状態。
市場にブレーキがかかるのは仕方なしですね。 pic.twitter.com/zNgL0aTmBh
半導体の生産が追いつかず業界全体に半導体不足が深刻になると、当然企業の売上が伸び辛くなることが懸念され、SOX指数も伸び悩みます。
参照元:chartpark.com上記は週足のSOX指数ですが、コロナ後となる2020年4月頃からの勢いが2021年1月頃から鈍化していることがわかります。
ちょうど、半導体不足が懸念されはじめたころから敏感に指数が反応しており、2021年10月まで伸び悩んでいる時期が続いています。
このような株価が上に下に箱の中を動くようなボックス相場(レンジ相場)を抜けることができれば、他の業界も盛り上がりを見せる可能性が高く、今後も引き続き注目していくべきです。