皆さん、こんにちは。Gazです。

今回はデフレとは何か?というおさらいに加えて、デフレに強い企業を紹介していきます。


デフレとは

2020年に起きた新型コロナウイルス発生以降、皆さんの給料は上がりましたでしょうか。

国内にある商品やサービスの価格水準を表す日本の消費者物価異数は2020年10月以降は前年同月比でマイナスとなっています。

消費物価指数
参照元:労働政策研究・研修機構

消費物価指数がマイナスということは、商品の価格が去年よりも下がっている状態のことです。

企業が商品の価格を下げていくと、以下のようなデフレサイクルが生まれていきます。

  • 商品の価格(物価)が下がれば、
    企業の利益は減ります。
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  • 企業の利益が減れば、
    会社員の給料が減ります。
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  • 会社員の給料が減ると、
    国民はお金を使わなくなります。
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  • 国民がお金を使わなくなると、
    企業が儲かりません。

このようなデフレサイクル(デフレスパイラル)が回っていくと、国の経済は不景気に陥っていきます

経済が成長していくためには、ほどよい2%から4%程度の物価上昇(インフレ)を起こしていく必要があります。

しかし、日本の長い歴史においてはそのように物価が上昇せず、1%未満の物価上昇もしくは物価がマイナスという状況が続いている状況です。

では、ここからはデフレ時期に強いとされる日本企業をいくつか紹介していきます。


デフレに強い日本企業1

神戸物産株価


デフレに強い日本企業1社目は「神戸物産(3038)」です。

神戸物産は業務スーパーを全国に933店舗(2021年7月末時点)展開している企業です。

業務スーパー
参照元:神戸物産

ご存知の方も多いかもしれませんが、冷凍肉や冷凍野菜、調味料、冷凍スイーツなどを格安で食材を提供するスーパーとして非常に人気。

神戸物産 PB商品


SNSやテレビなどでも取り上げられることが多く、生活費を抑えたい家庭に絶大な人気を誇っています。

経済がデフレ基調になると、国民の生活が貧しくなるため高品質かつ低価格の商品が売れやすくなります。

長期的なデフレ基調にある日本において、業務スーパーが長期的に人気がでるのはそのためです。

最近では、焼肉や惣菜などの外食事業、太陽光発電を使った再生可能エネルギー事業にも注力しています。

神戸物産(3038)
指標
時価総額9,822億円
PER38.9倍
PBR11.02倍
自己資本比率47.1%
ROE13.32%
ROA28.31%

デフレに強い日本企業2

ニトリ株価


デフレに強い日本企業2社目は「ニトリホールディングス(9843)」です。

ニトリ


先ほど紹介した神戸物産が「食品業界」での高品質低価格商品を提供する企業に対して、ニトリは「家具業界」での高品質低価格商品を提供する企業となります。

海外の工場や物流センターを新設することにより大幅にコスト削減し、他社に負けないベット、ソファ、ダイニングテーブルなどどれも高品質低価格を実現しています。

Nクール
参照元:ニトリ

またNウォーム寝具、Nクール寝具など季節に合わせた高機能な商品やハンガー、食器、トレーなど生活雑貨商品にも人気があります。

お金をかけたくないけど高品質な家具を置きたいという方にとって、ニトリは間違えなく選択肢の1つに入る企業です。

最近ではファッション事業(Nプラス)、家電、飲食店なども展開しており、今後の活躍も期待されています。

ニトリホールディングス(9843)
指標
時価総額2兆3,810億円
PER23.8倍
PBR3.38倍
自己資本比率72.4%
ROE14.20%
ROA10.28%

デフレに強い日本企業3

パンパシフィック株価


デフレに強い日本企業3社目は「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)」です。

ディスカウント事業で「ドン・キホーテ」を展開しており、食品、お酒、生活必需品、化粧品、家具、家電、衣類など何でも安い商品が揃っており、かつ価格が安いため業務スーパー同様に生活費を抑えたい、貯金したい方にとっては強い味方となる。

ドン・キホーテ アウトドア事業
参照元:donki.com

最近ではスポーツやレジャー用品にも力を入れており、キャンプグッズを有名ブランドとコラボするなどして様々なグッズを取り揃えています。

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)
指標
時価総額1兆4,766億円
PER24.1倍
PBR3.32倍
自己資本比率30.6%
ROE13.76%
ROA4.20%

デフレに強い日本企業4

ファストリ株価


デフレに強い日本企業4社目は「ファーストリテイリング」です。

皆さんご存知、ユニクロ、ジーユーを展開する大手ファッションブランドを展開しており、人気商品であるエアリズムやヒートテックを日本人で利用したことがない人はいないのではないでしょうか。

最近では化粧品ブランドを立ち上げたり、人気ブランドやデザイナーとのコラボ商品を展開しています。

中でも最近人気なのはクリストフ・ルメールとのコラボラインナップとなっている「UNIQLO U」

UNIQLO U
参照元:uniqlo.com

ファッションに詳しい方から見ても本当にこだわりがあるようですし、特にこだわりがない人も安く服を取り揃えるならとりあえずユニクロという印象があります。

服にそんなにお金をかけなくてもオシャレができたり、何より生地や素材がしっかりしているので長持ちするところも人気のポイントだと思います。

デフレに強い企業ですが、デフレじゃなくても活躍することは間違えありません。

ファーストリテイリング(9983)
指標
時価総額8兆4,010億円
PER49.0倍
PBR7.26倍
自己資本比率44.7%
ROE14.82%
ROA6.62%

デフレに強い日本企業5

カカクコム株価


デフレに強い日本企業5社目は「カカクコム」を挙げさせてもらいます。

カカクコムは商品の価格を調べるためのサイト「価格.com」を運営する企業です。

iPhoneやMacbookなどを安く買おうと思った際に価格コムを使った経験のある人は多いはずですし、最近は家電やゲームなどの型番商品だけでなく、生命保険や証券会社などの比較も行なっています。

価格コム
参照元:kakaku.com

またカカクコムは財務もしっかりしており、自己資本に対しての利益率を表すROEは直近3年で26%~43%と割と高水準で推移しています。

このようなROEの高い企業はPER(人気度)が高くなりがちですが、下がった時には拾っておきたいと思える銘柄かもしれません。

カカクコム(2371)
指標
時価総額7,472億円
PER46.1倍
PBR16.33倍
自己資本比率67.0%
ROE35.41%
ROA23.71%

デフレに強い日本企業6

ゼンショー株価


デフレに強い日本企業6社目は「ゼンショーホールディングス」です。

すき家、なか卯、Cocos、はま寿司など、様々な外食チェーンを展開するゼンショーホールディングス。

ゼンショー事業
参照元:zensho.co.jp

景気後退やデフレ状態になると、高級レストランや高価格帯の外食産業が先に低迷し、比較的値段が安くて美味しいファーストフード店の売り上げが加速する傾向にあります。

中でも牛丼に関しては、値段が安く高品質な牛肉が食べられるとあって景気低迷期にはサラリーマンの強い味方です。

ゼンショーホールディングス(7550)
指標
時価総額4,181億円
PER44.9倍
PBR4.83倍
自己資本比率20.4%
ROE10.75%
ROA2.19%

デフレに強い日本企業(補足)

今回、デフレに強い企業として、低価格帯サービスを提供する小売店や価格比較サービスなどを取り上げましたが、それらの業界に属する企業すべてが好調になるわけではありません。

中には低価格帯サービスを提供する企業でも競合やコロナなどの要因によって苦戦を強いられる企業はたくさんありますので、一概に牛丼チェーンだから「不景気に強い」と判断するのは危険です。