皆さん、こんにちは。Gazです。お手数ですが何卒、ブログ村の応援クリックお願いいたします。

ウォール街のランダム・ウォーカー」や「敗者のゲーム」などの名著を読んだ投資家がインデックス投資の平均リターンは6〜7%程度に収まるのだから、ここ10年で10%超える米国インデックスの利回りは今後調整されて3〜5%程度になるだろうと予想する方々が増えています。

今回は、米国インデックスの利回りを別の角度から見ることによって、投資家の資産がどう変化していくのかを解説していこうと思います。ぜひ最後までお読みいただけると嬉しいです。


米国インデックスの利回り予想

まず今後の米国インデックスの予想利回りは3〜5%になるだろうと言われる理由は2つあります。

  • 過去データからの予測
  • 株式市場の過熱感


過去データからの予測

まず1つ目から説明をしていきます。代表的な米国インデックスであるS&0500の過去93年間(1928年〜2020年まで)の平均利回りは7.61%となっています。過去の平均利回りは1年目(1928年)が37.88%、2年目が-11.91%となりまして、その年までの利回り平均推移を見ていくと以下のようなグラフになります。

S&P500平均リターンの推移

データのサンプル数が少ない1年目(1928年)から5年目(1932年)まではグラフが上に下にと大きくぶれますが、グラフが右にいくにつれて平均値の元データとなるサンプル数が増えていくごとに、S&P500の利回りはぶれなくなっていくのがわかりますでしょうか。ITバブルやリーマンショックが起こったとしても平均利回りは6〜7%あたりを目指して収束していきます。

ただし、93年間も投資ができる人はいません。ですので、S&P500に連続した5年間から40年間投資をした場合の平均リターンの最大値と最小値をまとめて見ると以下のような結果となりました。

期間別の年間リターン

1年、5年、10年と投資期間が長くなるごとに最小値はマイナス47%からプラス6.1%まで小さくなっていきます。そして最大値も同様にプラス46%からプラス10%へ小さくなっていきます。投資を続けるごとに最小値と最大値の振れ幅が小さくなっていき、最終的な平均利回りは6~7%に近づいていくというが過去のデータを見てわかることになります。

ここまで説明したデータを参考にすれば、今後S&P500に投資をすると平均利回りは投資期間が長いほど6~7%に近づいていくだろうと予想することができます。つまり、直近10年でのS&P500の利回りは10%を超えるほど好調な成績を見せており93年間の平均利回りは7.61%となっているため、その成績を加味した平均利回りが6~7%に調整するためには、今後どこかで大きな大暴落が起きるのか、もしくは成長速度が減速するタイミングが起きるだろうと予測されます。ちなみに、ITバブルが起きる前の1999年までの72年間のS&P500平均利回りは8.26%となっていました。

ここまでがS&P500の利回りが今後減速する理由の1つ目で「過去のデータから見ると、S&P500は平均利回り6~7%に近づくために今後の利回りは減速する」ということになります。


株式市場の過熱感

2つ目の理由は「相場の過熱感」です。このブログでも度々登場しますがS&P500の株価収益率(PER)です。株価収益率というのは企業業績(純利益)に対して、株の時価総額が何倍程度大きくなっているかという数値を表したデータになります。

S&P500 PER
参照元:multpl

直近の株価大暴落となったITバブルやリーマンショックの際、PERは40倍以上になっており、リーマンショックがあった2009年には123倍にも膨れ上がっています。そのPERがコロナショック後の今、40倍を超える水準にまで達しているのです。

雇用統計やインフレ率など他の経済指標を見渡しても、2021年7月現在で経済が株価の成長スピードより上回っているデータはありません。実体経済より成長し過ぎている株式市場は今後近いうちに暴落などによって調整されてしまうというのが大方の予想です。

さらにブラックロックやJPモルガンなど世界の金融機関ならびに経済メディア、大手の資産運用会社の多くが今後10年の米国市場の経済見通しについては7%以下に減速する予想しています。その中の1つにVOOやVTIなど世界でもトップクラスで人気の高いETFを運用するバンガード社があります。

vanguard forecast
参照元:vanguard

上記は2021年3月時点での年間平均リターンは2.6%から4.6%で特にグロース株が深刻となり-0.5%から1.5%と予想しています。

これらの予想により、米国インデックスは平均利回り6~7%に近づくために今後の利回りが減速していく可能性が高いということを主張しています。


複利は偉大

これまで長々とS&P500の平均利回りが減速することについて説明してきましたが、実はここからが本題です。まずは結論からお伝えしますと私の主張は以下の通りです。

  • 平均利回りに惑わされるな
  • 「複利の力」はマジで最強


平均利回りに惑わされるな

まずは先ほどS&P500の平均利回りは6〜7%に収束するということでしたが、これは投資家の資産が長期的な投資において年間平均6~7%ほどしか成長しないということとイコールではありません。投資には複利効果というのがありまして、例えば毎年7%ずつ資産が増えたとしても投資家の資産は過去の資産増加率の平均値を計算すると7%以上増えてしまうということになります。

とても複雑なことを言っているかもしれませんので、わかりやすくするために同じことを図にしてみました。

複利効果

上記は1年目に1万円投資をして、2年目で7%資産が増加し、3年目でもまたさら資産が7%増加した場合を想定しています。この場合2年間の平均利回りは7.00%となりますが、合計資産は14%(= 7% × 2年)よりも増えていることがわかるはずです。

なぜそうなるのかは簡単でして、1年目で増えた含み益700円もまた7%増加しているからに他なりません。これを複利効果と言います。複利効果は長く投資をし続けることで資産が増えれば増えるほど効果を発揮させます。3年目の複利効果は49円でしたが、4年目、5年目となればどんどん増える資産が増えていくことになります。

総資産は毎年7%ずつしか増えていないにもかからず、経過年数と資産増加率を割り算で計算すると年間の資産増加率は時間を追うごとに2倍、3倍と増えていきます。


複利の力はマジで最強

では毎年7%ずつ増える投資先で20年間資産を運用した場合の資産増加率と平均利回りを計算していきましょう。この場合の平均利回りは投資開始1年目から複利効果を加味した資産増加率を経過年数で割った値を意味します。

平均利回り計算(複利効果を加味)

上記グラフで見る通り、利回り7%で資産が増えていくと10年目には資産が+97%も増加していることになります。年間7%で資産が増えるから、10年後は+70%資産が増えるということではありません。それは単利での考え方です。

複利効果は長期的に資産を増やし続けるほど効果が大きくなっていきますので、20年目ともなれば平均利回りが14.35%となり、投資1年目の場合と比べると同じリターンを出す投資先に投資しているにもかかわらず年間パフォーマンスは倍以上に変化していきます。

以上のことから私が言いたいこととしては、今後S&P500や米国インデックスが低成長になるとしても投資し続けている間は複利効果が効いてくるので投資先をコロコロ変えるのではなく、継続的に投資し続けることでパフォーマンスは大きく変わっていくということです。

一部の情報では「米国株が上がり過ぎているから米国株に投資をするのは危険」という主張をしている方もいるようですが、どの時間軸で語っているのかを見極めないと、無駄な情報に踊らされて損を蒙ることにもなりかねませんので、ご注意ください。


応援のお願い

以下のリンクをクリック頂けますと私自身ブログの更新も続けやすくなります。お手数ですが応援のほど何卒宜しくお願いいたします🙇‍♂️