
この記事では以下の悩みや疑問を解決していきます。
「つみたてNISAを始めたら確定申告や住民税が必要?」
「主婦は確定申告が必要?」
「年末調整に影響はあるの?」
「NISAは節税対策になる?」
NISAで確定申告をする必要はない
確定申告とは「給与所得を得ている人」や「給与以外で年間20万円の所得を得ている人」が国税庁に利益を申告し、利益額に応じて必要な金額分の納税を行うためのものです。
NISAは「投資非課税枠の範囲内で得た利益に対しては課税しない」という少額投資非課税制度で、
金融庁が2014年から実施している施策です。
つまり、NISAで投資した分に関しては「非課税」と決まっているため、
納税義務は発生しません。
納税義務がないNISAでは、確定申告を行う必要はないということです。
主婦もNISAの確定申告は原則不要
専業主婦や大学生の方でもNISAを始めることができますが、
両者とも原則確定申告は不要です。
NISAは日本に住んでいる20歳以上の方を対象に、一人1口座まで開設することができます。
主婦であっても、学生であっても口座開設する年の1月1日に20歳を超えていれば、誰でも持つことができる上に、非課税で投資をすることができます。
つまり、専業主婦も大学生も確定申告は原則不要ということになります。
これさえ守ればNISAで確定申告は不要
先ほど、NISAでの確定申告は「原則不要」と説明しましたが、
無理にやれば、確定申告が必要となる場合があります。
無理をせず、確定申告をしない範囲でNISAを続けるには以下の項目を守る必要があります。
これさえ守ればNISAで確定申告は不要 |
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NISA以外で投資をしない、口座を作らない
NISAは一人1口座しか持つことができません。
仮に、NISA口座を開設後、別の証券会社で口座を開設し投資を行った場合、
その口座の売却益や分配金はしっかり課税対象となってしまします。
NISA口座以外で年間20万円以上の利益を獲得した場合は、確定申告は免れません。
また、NISAでは口座を別の証券会社に移すことができますが、口座変更には時間がかかります。
万が一、口座変更が完了しないまま、新しい口座で投資をしてしまうと課税対象となってしまうので、注意しましょう。
非課税投資枠の上限を超えない
NISAで投資できる金額には上限があります。
NISAは少額投資非課税制度なので、いくらでも投資できるわけではありません。
NISAには3種類ありますが、それぞれ投資上限金額が異なります。
項目 | NISA | 積立NISA | ジュニアNISA |
対象年齢 | 20歳以上 | 20歳以上 | 20歳未満 |
非課税期間 | 5年間 | 20年間 | 5年間 |
年間非課税投資枠 | 120万円 | 40万円 | 80万円 |
累積非課税投資額 | 600万円 | 800万円 | 400万円 |
NISA口座では、年間で120万円分まで投資をすることができます。
10万円/月を超える投資には注意が必要となり、年間120万円を超えて投資し利益が20万円以上発生してしまうと確定申告をしなければいけなくなります。
つみたてNISAの場合は、通常のNISAに比べて年間の非課税枠が3分の1(40万円)となっています。
毎月33,333円以内の投資金額におさめる必要があるので、大きな金額は投資できません。
投資スタイルに合わせてNISAを選ぶ必要がありますが、
くれぐれも年間の非課税対象枠を超えないことが重要です。
NISA申込時「特別口座(源泉徴収あり)」を選択
NISA口座で非課税対象枠以上に投資をしたいけど、確定申告はしなくないという方は、
証券会社で口座を作る際に、「特別口座(源泉徴収あり)」を選択するのがおすすめです。
どの証券会社にも「一般口座」「特別口座(源泉徴収あり)」「特別口座(源泉徴収なし)」という申し込み方法があります。
それぞれの特徴は以下の通りです。
項目 | 一般口座 | 特別口座 (源泉あり) |
特別口座 (源泉なし) |
特徴 | 税金計算も確定申告も自分で行う | 証券会社が納税を代行 | 確定申告だけは自分で行う |
メリット | 豊富な商品を取引可能 | 確定申告不要、全てお任せ | 20万円以下なら税金ゼロ |
デメリット | 手間が多く、面倒 | 税金を多く払うこともある | 20万円以上の儲けは要申告 |
特別口座(源泉徴収あり)のメリットは、万が一確定申告が必要なタイミングとなった場合でも
いちいち面倒な税金計算をする必要もなく、確定申告も合わせて証券会社が代行してくれるところにあります。
どうしても非課税枠を超えて購入したい金融商品や好きな株式銘柄などがでてきてしまった場合に、しっかり証券会社が対応してくれます。
ただし、1つ気をつけておかなければいけない点があります。
それは、非課税枠以外の投資利益額が20万円以下でも確定申告を代行してしまうという点です。
本来、年間利益額が20万円以下の場合は確定申告が免除されています。
20万円以下でも確定申告をしてしまうと、その利益額に合わせて税金を支払わなければいけなくなります。
自分で確定申告をする口座と比べると、余計に多くの税金を払ってしまうこととなります。
金額感はおおよそ年間で1万円弱程度となります。
それくらい気にならないという方は、「特別口座(源泉徴収あり)」を選択するのがおすすめです。
NISA申込時「株式数比例配分方式」を選択
NISAでは、配当金の受け取り方法によって課税対象になるケースがあります。
配当金とは、株式を発行する企業が利益の一部を株主に還元する利益(お金)のこと。
配当金の受け取り方法は以下の3つです。
受け取り方式 | 詳細 |
株式数比例配分方式 | 証券口座で配当金を受け取る方法 |
配当金領収証方式 | 郵便局またはゆうちょ銀行に「配当金領収証」を持参し、配当金を受け取る方法 |
登録配当金受領口座方式 | 指定した銀行口座で配当金を受け取る方法 |
「株式数比例配分方式」というのは、口座開設した証券企業を通して配当金を受け取る方法です。
それ以外の方法は、郵便局や銀行の口座を通して受け取る方法となります。
証券会社を通さずに配当金を受け取ってしまう場合、
NISA口座の対象から外れるため、課税対象となるというのがルールです。
配当金の受け取り方法については、迷わず「株式数比例配分方式」を選択するのが無難です。
確定申告をするべき人ってどんな人?
ここまでお読みいただければ、
NISAでは確定申告をする必要がないということが理解できていると思います。
では、そもそも確定申告とはどのような人がするべきなのかということを、簡単におさえておきましょう。
確定申告をしなければいけない人は、以下のような方です。
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会社に勤めている人やアルバイトをしている人は、基本的には会社が代行して確定申告をしています。
自分で確定申告をしなければいけない方は、会社に属していない個人事業主や、副業など会社以外で利益を得ている人となります。
この事例に触れない方であれば、確定申告をする必要がありません。
退職後、再就職しなかった人は確定申告すると節税できる
年の途中で退職し12月31日時点で会社に勤めていない方は、
期限までに確定申告をすると、税金の払い過ぎを理由に還付金が戻ってくる可能性があります。
確定申告の提出には、社会保険料や医療費(10万円以上)、生命保険、住宅ローンなどの証明書があると税制控除を受けることができるため、そういった証明書が用意できるのであれば合わせて提出するべきです。
詳しくは国税庁のHにも記載があります。
国税庁HP:還付申告
年末調整に影響があるのは税制控除のみ、NISAは関係ない
会社員でも確定申告をしないまでも、毎年年末調整で社会保険料や医療費(10万円以上)、生命保険、住宅ローンなどの証明書を提出することがあるはずです。
この時、NISAは関係するのかという疑問を抱く方も多いと思いますが、
結論から言うと、NISAは年末調整とは何も関係がありません。
NISAで投資をしたことによって、税金の支払いを免除されるような税制控除を受けられるわけではないのです。
NISAで税制控除を受けることはできませんが、NISAでは非課税で投資ができるというメリットがあります。
興味にある方は少額から始めてみてはいかがでしょうか。