2019年7月11日に仮想通貨取引所ビットポイントはハッキングにより複数の仮想通貨が流出する事件が発生しました。日本の仮想通貨取引所がハッキングとなるのは4度目。マウントゴックス、コインチェック、Zaifと続いて、今回も数十億円単位での損害額に見舞われる結果を引き起こしました。
この記事ではビットポイントがどういう仮想通貨取引所で、どのような被害が出ているかを説明していきます。
ビットポイントとは
仮想通貨取引所「BITPoint」(株式会社ビットポイントジャパン)は主要株主である株式会社リミックスポイントが2016年3月から運営している仮想通貨取引所です。金融庁からの認可を受けており登録番号(仮想通貨交換業者関東財務局長00009号)を有しています。一時期はTVCMを実施しておりイメージキャラクターに本田圭佑選手を起用していたこともあります。
項目 | 詳細 |
商号 | 株式会社ビットポイントジャパン |
商号英文表示 | BITPoint Japan Co., Ltd. |
仮想通貨交換業者 | 関東財務局長 第00009号 |
賃金業者登録番号 | 東京都知事(1) 第31660号 |
代表者 | 代表取締役社長 小田 玄紀 |
本店所在地 | 東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー36階 |
設立日 | 2016年3月3日 |
資本金 | 44億3,000万円(資本準備金含む) |
主要株主 | 株式会社リミックスポイント |
ビットポイントは海外にも進出し、2019年7月時点では中国(2箇所)、韓国、台湾、マレーシア、パナマの計6拠点にて仮想通貨交換業を展開しています。
セキュリティが高いと強調
BITPointは情報セキュリティ格付企業「アイ・エス・レーティング」より格付「A(シングルエー)」を取得したことを2018年10月11日にHPで発表。格付はAAA(トリプルエー)が最高水準ですが、金融および証券企業はA以上のランクが望ましいとされています。
またビットポイントは電話ので問い合わせにも対応している数少ない顧客によそったサポートを実施する取引所の1つでもあります。(仮想通貨取引所のほとんどは電話対応せず、すべて電子メールのみでのやり取りが一般的です。)
FX取引ツールMT4(Meta Trader4)を実装
BITPointには「MT4(Meta Trader4)」というトレーディングツールを活用することができます。MT4(Meta Trader4)はFX業界では知らない人はいないくらい有名なアプリケーションで、インジケーターを自作することが可能で、EA(エキスパート・アドバイザー)というシステムを入手すれば24時間ほったらかしで自動売買できる機能が実装されます。これらはスマートフォンなどのモバイル端末でも利用することができます。
ビットポイント不正流出事件
損失額は32.7億円
2019年7月12日と14日に運営企業であるリミックスポイントは不正流出に関する情報を発表。その発表内容をまとめると以下のことがわかります。
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コールドウォレットへの被害はないものの、ハッキングによって不正流出の被害にあった銘柄が5銘柄となるのは最近のハッキング被害事例も見ても異例。社内のコンピュータがハッキングされてしまえば複数の銘柄を操作するのは時間の問題となりますが、それにしてもほぼ全ての銘柄を流出させてしまったビットポイントの管理体制には大きな改善が必要と予想されます。
不正流出の経緯
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不正流出後のチャート
事件発生前に売り抜け
ビットポイントの不正流出が発覚する24時間前(7月10日の23時頃から)見事にビットコインを売り抜けている量が大きいことがわかります。不正流出を起こした犯人もしくは関与しているグループにより一斉にビットコインを売って売却益を発生させている可能性が高く、不正流出させた仮想通貨以外でも利益を発生させていることがわかります。
ビットコインはまだまだ下がる
7月10日の段階では140万円程度を記録していたビットコインですが、不正流出発覚後7月15日には108万円まで下がってしまい、さらにまた下がる可能性も出てきています。
不正流出後の見通し
流出した仮想通貨を売却
ハッキングを起こした犯人により流出した仮想通貨は他の仮想通貨に変更されるなどして最終的には現金化されることになります。すると大量に資金が仮想通貨から現金へ変わるので仮想通貨の価値は減少します。売却スピードによって下落率が左右されますが、大きく下落することにはほぼほぼ変わらないというのが大方の見方です。