ステーブルコインとは

ステーブルコインとは英語に直すと「Stable Coin」となり、「安定した通貨」という意味があります。

最も身近なステーブルコインは日本円です。

私たちが日常で使っている日本円も価値が安定しているように見えますが、実は少しずつ価値が変動しています。

それは為替市場のドル円相場(ドルと円の交換レート)を見れば明らかです。

ドル円相場

上記は2007年から2018年までのドル円相場のチャートとなります。

2011年頃は1ドル80円程度でしたが、現在では1ドル113円程度となり、ドルの価値は40%も上昇しています。

言い換えると、円の価値はドルに対してそれだけ下がっている(円安)ということになります。


シニュレッジ・シェア

シニュレッジ(seigniorage)とは、直訳すると貨幣発行益といって、政府や中央銀行から発行される紙幣の額面金額から製造コストを控除した発行利益の事を意味しいます。

各国の政府や中央銀行はドルやユーロなど世界を代表する通貨と自国の通貨レートを考慮して、価値がある程度一定に保たれるように調整しています。

調整方法は、世界に流通している紙幣の量の増減(シニュレッジ・シェア)によって行われます。

価格が高騰する場合は全体量を増やす事で上昇率を抑え、逆に価格が下がる場合は全体量を減らすことによって価格を上げることが可能です。

これにより極端なインフレやデフレといった恐慌を防ぐことができ、経済が安定するという仕組みが成り立っています。


ステーブルコインの仕組み

ステーブルコインが価値を一定に保つ仕組みは需要と供給のバランスを保つことに他なりません。

通貨である以上、需要によって通貨の価値は変化してしまうからです。

通貨は売り買いによって価値が変化するため、売り買いすることで需要と供給のバランスが調整されますが、通貨の価値を買いで支えるためには同等の価値のある商品が必要不可欠となります。

同等の価値としてふさわしい商品および通貨は、時代によって価値が変動しにくい商品が向いているとされています。

現在では以下のような商品をステーブルコインの担保に使う事が最も有力です。

ステーブルコインの担保有力候補
  • アメリカドル(法定通貨)
  • 金、ゴールド
  • 石油

時代によって価値が下がりにくい商品がステーブルコインの価値を担保することになります。

ステーブルコインの中には仮想通貨同士によって価値を担保するものもありますが、2018年の仮想通貨相場を考慮した場合、ビットコインやイーサリアムは急激な下落相場を作り出しており、価値が限りなくゼロに近づく可能性もあることから、ステーブルコインの担保としては向かないという見方もあります。

逆にビットコインやイーサリアムは今後100倍、1000倍の価値になり、価格が安定して下がらないという状況であった場合はステーブルコインの担保としてはうってつけです。


法定通貨担保型ステーブルコイン

通貨として信頼されている法定通貨を担保に、仮想通貨(ステーブルコイン)の価値を一定にするのが法定通貨担保型ステーブルコインです。

通貨の価値が信頼されているほど、価値は下がりにくくステーブルコインの担保としての適性は高く評価されます。

そして、法定通貨の信用度はその通貨の時価総額に現れます。

現在最も信用されている通貨は間違えなくアメリカドルです。

法定通貨の時価総額ランキング
通貨名 時価総額
アメリカドル1,800兆円
ユーロ1,300兆円
日本円1,200兆円
ゴールド850兆円
ビットコイン20兆円
イーサリアム12兆円

法定通貨担保型ステーブルコインの代表例としてあげられるのが、アメリカドルを担保にしたステーブルコインのUSDT(Tether)です。

関連記事:仮想通貨USDT(Tether / テザー)とは

ただし、時価総額の大きい法定通貨を担保にした場合、ステーブルコインも連動して価値が膨れ上がる傾向にあります。

その結果、担保しなければならない準備金が膨れ上がり、最終的には担保が用意できず価値の保存がでいないという結果になりかねないという危険性があるのも大きな特徴となります。


仮想通貨担保型ステーブルコイン

仮想通貨担保型ステーブルコインとは、ビットコインやイーサリアムを担保にステーブルコインを発行するという仕組みです。

法定通貨型ステーブルコインとの違いは、単純に法定通貨が仮想通貨に置き換わったということではありません。

仮想通貨になったことによって担保となる仮想通貨を全世界中の人が確認できるため、担保への信用度は100%まで上げる事が可能です。

またイーサリアムのスマートコントラクトを利用すれば、自動で通貨を取引する事が可能となり、中央銀行や政府の思惑などが介入する事なく、透明な運用が可能となります。

しかし、仮想通貨担保型ステーブルコインにもデメリットはあります。

仮想通貨は価格変動が激しいため、担保としての価値が急になくなってしまう可能性があります。

仮想通貨の相場が上昇し続けているうちは担保としての価値は十分にありますが、その逆で価値が急激に下がってしまった場合は他の価値ある通貨で代用する必要がでてくるということです。

もう一つ、仮想通貨担保型ステーブルコインのデメリットはPoWというアルゴリズムを採用しているビットコインやイーサリアムにあります。

取引承認をするたびに大量の電気代を利用するビットコインは利用頻度が大きくなるにつれて、電気消費量も多くなり、地球環境への影響が懸念される点にあります。

イーサリアムのようのPoWからPoSに移行し、大量の電気消費問題を解決する事が必要不可欠ということになります。


無担保型ステーブルコイン

無担保型ステーブルコインは先ほど説明した「シニュレッジ・シェア」という手法にて価値の安定を達成する事が可能となります。

ブロックチェーンを利用する仮想通貨だからこそ、世界中に供給された通貨の発行量を調整する事が可能となります。

無担保型ステーブルコインである「Basis」「Saga」というプロジェクトを見れば明らかですが、無担保の場合でも基準となる金融商品や金融指数が必要です。

どの価値に合わせるかはプロジェクトごとにことなりますが、適正な指標に合わせることによって日常的に利用できるトークンとして「法定通貨担保型」や「仮想通貨担保型」よりも実現性が高いと言われています。


ステーブルコインの種類

仮想通貨市場には様々なステーブルコインが開発されています。

本記事では、いくつかのステーブルコインを紹介します。


米ドル担保型仮想通貨USDT(Tether)

USDT(Tether)は法定通貨担保型ステーブルコインです。

アメリカドルを担保として、価値の安定を保っていますが、大きな懸念点として2017年より300倍に膨れ上がった時価総額分のアメリカドルを準備金として保有しているかどうかは不明です。

USDT(Tether)についての詳細は以下の記事をご覧ください。

関連記事:仮想通貨USDT(Tether / テザー)とは

石油担保型仮想通貨Petro

Petroはベネズエラ政府が発行する石油を担保とした仮想通貨です。

Petroは仮想通貨史上はじめて国のICOプロジェクトとなりました。

ベネズエラの経済状況は厳しく、国債の補填として扱われることが予測されています。

関連記事:ベネズエラが発行する仮想通貨ペトロは危険

日本円をベッグした仮想通貨LCNEM

LCNEMはNEMのモザイクで発行されたステーブルコインです。

大きな特徴は日本円と同額を維持させるという点にあります。

    1LCNEM ≒ 1円

上記のように日本円とほぼ同額に合わせた仮想通貨がLCNEMです。

LCNEMを発行する株式会社LCNEMは仮想通貨交換業の登録を受けていないため、日本円を担保にすることは法律上できません。

その代わりに、Kyashやアマゾンギフトを使って価値の安定を図るという方法を導き出しています。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

関連記事:仮想通貨LCNEM:日本初の日本円ステーブルコインが販売開始